「乙女企画クロジ☆第10回記念公演『異説 金瓶梅』」

――生天目仁美さん、酒井香奈子さん、関智一さんなど、クロジ初参加の方もたくさんいらっしゃいますが、キャスティング作業はどのようなものでしたか?

福圓 これも紆余曲折があったのですが、まずは原作とは異なるイメージの潘金蓮を演じるのが木村はるかさんに決まり、彼女との身長差などを考慮して、その夫である西門慶を藤波瞬平さんにお願いしました。西門慶は6人の妻を娶るのですが、女たちの何に惹かれたのか、その個性を明確に示したかったので、キャスティングでもそこにこだわりました。

西門慶の妻の一人であり、潘金蓮に次ぐ重要な役どころである李瓶児は、特にキャスティングが難航したのですが、たくさんの候補の中から、最終的に生天目仁美さんにお願いすることになりました。生天目さんはクロジのこともよく知っていて、彼女自身、元々は舞台役者だったということもあり、快く引き受けてくれました。4番目の妻・孫雪娥は、他の夫人たちと比べても群を抜いて若く、この役には若くてフレッシュな人が欲しかったんです。この役のイメージに合った人は誰だ誰だと、携帯のアドレス帳を一番上から順番に見ながら探していたとき、酒井香奈子ちゃんの名前を見つけ、「これだ!」と思いました。スケジュール調整が大変だったのですが、事務所の方に、「香奈子ちゃんがいないと成り立たないんです、どうしても必要なんです!」と、かなり頑張って口説き落としました(笑)。

関智一さんについては、関さんが座長を務める劇団ヘロヘロQカムパニーに私が以前客演させてもらった際に、「声優でここまで泥臭く劇団をやっている後輩はあまりいない」とクロジに興味を持っていただき、公演を観に来てくださったりしたんです。そして、私たちのことを見ていると昔の自分たちのことを思い出すから、いつか俺も出してほしい、泥臭くも一生懸命に舞台を作っている姿を見たいから、体裁なんて気にしなくていいんだよと言っていただき、今回、全体をきゅっと引き締めてほしい役を、関さんにしていただけることになりました。

http://bit.ly/g2Pehn