アニメ「ムシウタ」制作発表記者会見

井上伸一郎、山口善輝両氏による、角川書店NTTドコモの業務提携についての報告。

(中略)

●声優トーク

司会者の説明のあいだ、会場の後ろで、浅沼、花澤の「ゼーガペイン」コンビは、すでにスタンバイ。花澤香奈も、緊張した面持ちだったのが、呼ばれると笑顔を作って、浅沼の後をテクテク登場。つづいて、生天目、田村の「極上生徒会」コンビも扉の奥から登場。

――それではひとりづつご挨拶を。

浅沼:薬屋大助/かっこう役を、やらさせていただきます、浅沼晋太郎です。

花澤:杏本詩歌やくの、はなざわかなです。よろしくおねがいします。

生天目:立花利菜役、生天目仁美です。よろしくお願いします。

田村:みんみん役の、田村ゆかりです。よろしくお願いします。

――皆さんの演じる役を自己紹介していただきたいと思います。

浅沼:はい。緊張してまして……変なことを言うかもしれないので、皆さんの中でこう(ハサミの仕草)編集していただきたいんですけど(笑)大助は、学校で女生徒にからかわれるようなひ弱な青年なんですけど、優しい一面も持っていて、でも実は非情なエージェントです。

――後ろのモニターに大助のイラストが。

浅沼:そうですね。この弱そうな感じのキャラクターの実体が(絵が変わる)かっこう。クールで、任務では非情になる男です。

――演技のコツというのは、ありますか。

浅沼:コツですか? そうですね。以前、出演させていただいたアニメでは、記憶喪失で違う感情を持つ男というのを、やったことがあるんですけど、その時は声を変えずに、どう別人のように見せるかだったんですけど、今度は、音響監督さんから、まったく別人でやってくれと言われて、二役演じようしているんですけど、突然のリアクションとか、心の声とか、どちらで考えているのか難しくて、いま戦っているところです。

――大助の心の変化が見所ですね。

浅沼:そう言われると、僕とってもプレッシャーですね(笑) 他にも見所はいっぱいあります。

――それでは、詩歌役の花澤さん。

花澤:ふあい。

――大丈夫ですか?

花澤:だいじょうぶじゃないです……。えと。しいかは、かこにムシツキになって、かぞくからおいやられる、かなしいかこをもったおんなのこで……。かっこうとうんめいてきなであいをして、そのときには、ガーデンからとうぼうしてきた……かんじ(場内笑)

――そんな「感じ」なんですね。イラストが出ました。

花澤:かわいいです〜。

――ピッタリですね。

花澤:(照れて)はわぁ。

――悲しい過去があったりして。

花澤:いつもかなしいかおなんです。でも。だいすけといるときは、すごい。かわいいえがおでわらったりするんです。

――続きまして生天目さん。

生天目:はい。ふだんは大介が転校してくる学校のクラスメイトでして。絵が巧くて明るくて、クラスの人気者という役どころです。

――姐御肌で。

生天目:そうですね。表情もころころ変わるような、愛らしいというか明朗活発な感じですね。

――利菜には秘密がある。

生天目:レイディバードという、もうひとつの名前がありまして、大助の組織と敵対しているチームのリーダーをやっております。

――と言うことは、生天目さんも二つのかけ離れた性格を演じているわけですね。

生天目:でも、大助に比べるとストレートな感情を表に出す娘なので。みんながムシについて噂しているのを聴いてカチンときたいするところもあって。いまこれ(モニターを指差して)、利菜のムシなんですけど、アフレコが進んでいる段階では、まだ活躍してないのですが、チョウ・オン・パ? 羽から超音波を出して……。

浅沼:それは、みんみんですよ。

生天目:みんみんもだけど……。

浅沼:衝撃波。

生天目:衝撃波? ちょっと違うの?……なんだよ(場内笑)

田村:(笑)後でゆっくり。

生天目:じゃあ、後で裏で(親指を立てる)

浅沼:仲良くやりましょうよ(笑)

田村:敵対してるからね(笑)

生天目:かっこうに対しては憎しみしかないという状態で。だから、アフレコ現場もこんな感じです。

浅沼:(苦笑)なんで嘘をつくんですか。そんなことないですよ。

生天目:嘘です(笑) こんな感じです。

――トリックスターのみんみんを演じる田村ゆかりさん。

田村:はい。その通り、みんみんは、かっこうと同じく「特環」に所属している……です? んあ?(言葉につまる)

生天目:ちゃんと喋って!

田村:(笑) 同じ「特環」なんで、かっこうとは仲良くやってるのかなあと思いきや、あまり好きじゃないんですね。なので、アフレコもギスギスした感じでやってます。

浅沼:そんなことないですよ。

田村:学校生活というものがなくって、だいたい、いつも謎な感じなんです。絵を見ていただいてもわかるんですけど、かなり表情豊かで、寂しげだったり、ワルそうだったり、可愛かったり、という風に、いろんな表情を楽しんでもらえると思います。そして、ムシのイラストがドン! ……出ない。出ないの? ドン!

――裏で今ちょっと。

田村:さっきの利菜ちゃんは、てんとう虫だったんですけど、みんみんは「まんまかよ!」ていう感じなんですが、セミっぽい生き物なんですね。羽とかで、(得意げに)ちょう・おん・ぱ・こうげき!をしたり(笑) あと、おっきいので突進攻撃なんかも強い! 一番強いです!

生天目:それは嘘でしょ!

田村:すいません、嘘です(笑) 5号という位みたいなもので。利菜とかっこう君は1位。あとは?

花澤:いちごう?

浅沼:ランクが10号まであって、番号が若いほど強い。そこ(生天目、田村の間)でわかれてる。

田村:でもでも〜、隠してるだけかもしれないよ。

――ありがとうございました。

田村:なんでよ〜。

――アフレコの雰囲気はいかがですか?

浅沼:(沈黙) 非常に仲良くやっております。(場内笑) いやあの。ボクはやっぱり、座長という感じになるので緊張していますね。あと、アフレコのスタジオに蚊がいるんですね。

生天目:うんうん。

浅沼:ねえ。これがけっこう。録っている耳元でブーンとね。これはスタッフの配慮なのかと(笑) 僕が蚊を優しく、優しくですよ? 仕留めたりしてですね。こうやって作品世界を理解していくんだな、と思っていると、超音波と衝撃波を間違えてたり。そんなところは可愛いな、と。男性はいじられます。やっぱり女性は強いなあって思いますね。いじられまくってます。

――それでは花澤さん……。大丈夫ですか?

花澤:はい。たぶん。

――たぶんですか(笑) 原作をお読みになっての第一印象はいかがですか。

花澤:はい。オーディションの前に1回。(浅沼さんの方を見る。急に花澤さんがハキハキ喋り出したので驚いていた?) わたしも読んだんですけど。ライトノベルというのを読んだのは初めてで、小説より読みやすいなあって。で、詩歌出てくるじゃないですか? 「ああ、わたし詩歌やりたいって!」って思って! ……うん(元のテンポにもどる)

――生天目さん、ご自分がムシツキになるとしたら。

生天目:そうですね、ムシのいろんな能力がありすぎて、どういったものがいいのか、わからないんですけど。先ほど、アフレコ現場で蚊が飛んでいる話が出たんですけど、わたし、耳元でブーンときてゾクっとして、声が出なかったことがありまして。(小声で)ムシ、要らない。

浅沼:全否定ですか?

生天目:だって、こわいんだもの。てんとう虫だって、こんなに小さければ可愛いけど、あんなにデカかったら。

田村:汁とか出る? 出る?

生天目:つぶれたときとかね。

田村:出る? 出る?

生天目:なにが? わたしから?

――きれいにいきましょう(笑) この作品はユメがキーワードですか、田村さんは、どんな夢をお持ちですか。

田村:可愛らしいおばあちゃんになることです。……だれにも言わされてませんよ?

――他のお三人は。

浅沼:うーん。ちっちゃいことは、いっぱい思いつくんですけどね。「グリーン車に乗りたいな」とか(笑) あ、僕の出ている作品はですね。東北出身なんですけど、なかなか地元で見られなかったんですけど、「ムシウタ」は違いますよ! あれ、夢かなっちゃったな(笑) 

田村:ウフフ

浅沼:もっと親孝行しなくちゃなって思ってます。

――花澤さんは?

花澤:おとうとにこどもがうまれることです。

――それが夢なんですね。

花澤:で、わたしがかわいがるんです。で、「わたしおねえちゃんみたいになりたい」っていわせるんです……

――(ぶった切るように)ありがとうございます(場内笑) 生天目さんは?

生天目:長野県で駄菓子屋を開くことです。将来的に。

田村:アハハハハ

生天目:買いに来た子を叱りつけたり、そんなおばあちゃんになりたい(笑)

――素敵な夢をおうかがいしました(場内笑)

●モバイル携帯サイトの説明

角川書店広報氏が、覆面姿で登場。説明を始めるが、マイクが作動しない。

田村:KADOKAWAマン! わたしのマイクを使って!

浅沼:しばらく放っておいた方がいいんじゃないですか(笑)

(説明いろいろ 詳しくはこちらで)

広報:僕の写真なんていいですよ。そんな暇があったら、お美しいみなさんの写真を一枚でも多く……。大丈夫ですか、花澤さん?

花澤:(ボーっとしていた)う〜ん?

広報:こんなこと、つい言っちゃうから、ネットで叩かれるんだな(苦笑)

――ありがとうございました。花澤さん大丈夫でした? 

花澤:ことばのぼおりょくですよ。

――生天目さんは、ああいう男性はどうですか?

生天目:ああ〜。いいんじゃいですか? がんばっていらしてたし。

――田村さんはマイクをありがとうございました。

田村:すごいよく喋る方でしたね。パワーを吸い取られそう(笑)

――ここで、もうお二方ゲストをお呼びしています。歌のお客さまでございます。

(赤月、佐藤ひろ美が登場)

――何からうかがいましょうか。KADOKAWAマンはいかがでしたか?

佐藤:他の作品でもご一緒してたので、スットコドッコイぶりは、けっこう慣れているもので(笑)

浅沼:あの、これ「ムシウタ」じゃなくて「KADOKAWAマン」って作品なんですか?

――(笑)「ムシウタ」の話を。

佐藤:今回、音楽プロデュースをさせていただくことになりまして。原作のハードボイルドな雰囲気に、彼女の歌が合わさったとき、どんなオープニングが出来るのか、とても楽しみです。

●オープニング&エンディング曲の披露

(歌う前、緊張した面持ちの赤月に、耳打ちでいろいろアドヴァイスする佐藤ひろ美が、なんか格好良かった)

――いかがでしたか?

浅沼:かっこいいなあって思って。これ、後でCDとかいただけます……(笑)

佐藤:ちょっと、歌詞が一言抜けたりしましたが(笑) 「ムシウタ」という作品は、とてもクールで、ちょっと切なくて、そういう世界観を音楽でも現わそうと思いました。

井上:とてもパワフルな歌で、作品のイメージが良く出ていましたね。歌詞なんかも。

山口:アニメの主題歌を生で観るのは初めてでしたが、とてもパワフルでしたね。

●プレス向けのフォトセッションをはさんで、最後の挨拶

――それでは、最後に印象をおうかがいしたいと思います。

浅沼:本当に、こんなにたくさんの方に来ていただいてありがとうございました。がんばって演じたいと思いますので、「ムシウタ」ぜひ、TVの前で。あとはDVD、今はハードディスクレコーダーですか、何度も再生して下さい。ありがとうございます。

花澤:えっと。せいいっぱいがんばりますので。みなさんぜったいにみてください。じゃあ、みんなで(突然、拳を振り上げて)ムシウタ!って。せ〜のっ!

会場:(戸惑いながら)ムシウタッ!

生天目:意外と大胆な香菜ちゃんでしたが(笑) 私も原作を読んだんですが、すごく素敵な世界と胸が苦しくなるようなお話で、夜中にメソメソ泣いてしまったんですけど、アニメの方も、絵がすごくきれいで、淡い感じで、はかなさが絵にも現れているので、ぜひ観てください。利菜、がんばります。

田村:「ムシウタ」 とても切ないお話で……(吹き出す) 先に言われちゃったから(笑) 2話をオールカラーでアフレコさせていただくという、とても貴重な体験を……(浅沼、生天目が指を3本立てる)3話だったっけ? ほんとに絵もきれいだし、今流れているBGMもとっても切なくて、それぞれの持ち場の人たちが一生懸命つくってますので、皆さんぜひ観てください。

佐藤:今回、音楽という形で参加させていただきました。5分という短い時間のなかで、作品世界を現わしてみました。どうか、よろしくお願いします。

赤月:はじめて、お話をいただいたときから、とてもイメージが膨らんでました。「ムシウタ」をよろしくお願いします。

井上:日本で独自に発展した文化というのがいろいろあって、アニメーション、ライトノベル、それと携帯ですね。「ムシウタ」という作品を通して、三つが一つになって、面白いことがおきるんじゃないかと思います。

山口:今日は、雨の中、ほんとうにありがとございました。初めてのモバイル連動という事で、よろしくお願いします。